映画版ティーンタイタンズGoの感想だってさ
ストーリーとしてはTTのリーダーロビンが映画の主役になりたい、なりたいったらなりたいとメンバーやプロディューサーにゴネまくるという話で、取ってつけたような形でDCコミックのデッドプールことスレイドが敵として絡んでくる。
この映画の売り上げ次第では無印版TTのシーズン7もあり得るというから、タラ・ストロング張りに「絶対みるべき! ティーンタイタンズが嫌いでも見に行け!」と書きたいところだが実際には極めて見る人を選ぶ映画だ。
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アメリカ人は爆笑しても日本人はくすりともしないというコメディ映画があるが、ティーンタイタンズ Go To Movieはアメリカ人でも笑うのは相当なマニアであろう。
DCコミックのファンとしては初級レベルと自分を見積もっていたが、この映画を見て何度か爆笑していた私は実はけっこうなDCマニアじゃないかと思わざるをえなかった。
しかし、そういうコアなファン向けの内容の割にはこの映画で初めてTTを知ったというような人に向けて説明するようなシーンや展開がある。
そういうシーンを見せられると、初見ファンを振りきってコア路線に突き進み切れない制作者側の事情が透けてしまって、なんだかすっきりしない気持ちになる。
それ以外にも作中で無印版やGoの設定をすっ飛ばしていることに、無印とGoの全シーズン視聴済みの者としては数々の疑念を抱かざるを得なかった。
ロビンが映画の主役になれない理由として、スーパーマンからお前はサイドキックだからとか、大して活躍してないからだとか言われてしまうのだが、いや、無印TTでもGoでも何度も街を崩壊から守ってるんですけどって突っ込みをいれたくなる。
百歩譲って、スーパーマンクラスからすればTTのやってることなどたいした活躍ではないのはしょうがないのかもしれない。ヤングジャスティスのアクアラッドからも過去に「お前等ふざけすぎだよね」と揶揄されてしまっているし。
まぁ、TTがいかに無名かという設定を演出するためにチャレンジャーズという謎のヒーローチームを出して、ロビンに「誰だよあいつら!タイタンズはあいつらより知名度ないの?」と言わせているので、スタッフはあくまで作中の設定としてやってるのはわかるんだが。
それにしても、スレイドと初めて出会ったという映画版の設定はいくらなんでも無理がある。
無印でもGoでもスレイドとは散々絡んでおいて、今更スレイド?誰?デッドプールでしょ?って。このくだりはただスレイドをデッドプールと呼びたいだけじゃねーかよという。
とはいえ、これらはまぁいいかどうせタイタンズGoだしと流せる程度のことなのだが、これら以上にスタッフの狙いに疑念を抱かせるポイントは映画がミュージカル調なところである。
どんなドラマやアニメでも一回はミュージカル回がある気がするが、そんなにミュージカルが好きなのかアメリカ人よ。
ちなみに私も嫌いじゃない。
アニメ版バットマン ブレイブ&ボールドではミュージックマイスターが出てくるミュージカル回がお気に入りなくらいである。
誰も来ないような秘境の寂れた温泉に浸かりながら、限られた人間だけがここにたどり着けるのだとにやりと笑える。そういう楽しみ方ができる人間にはたまらない映画である。
ストーリー本編とは何ら関係のない話だが、なんでクリスティン・ベルが特別ゲストなんだろか。
ヴェロニカ・マーズのマーズだって事は知っているが、アメリカのファンにとってはエリザ・デュシュクがシーハルクの声的な盛り上がりがあるんだろうか。
それともあのアナ役のクリスティン・ベルが!で盛り上がる方なのか。
これがこの映画最大の疑問であった。
いずれにせよティーンタイタンズが好きなら見て損は無し。