文法マニアという寄り道
思い出すと愚痴や不満ばかり出てくるランゲージエクスチェンジだが、反面教師的な意味では得た教訓は多かった。
その一つに”文法マニアになるなかれ”がある。
自国に住んだまま熱心に外国語を勉強している人が陥ってしまう暗黒面が文法マニアだ。
もし英語圏の国に住みながら英語の勉強にはまり込み過ぎても周りのネイティブスピーカーから面倒がられるだけなので、ある時点でフィードバックがかかって無駄な事をしていると気づくはずだ。
日本に住んでる外国人とランゲージエクスチェンジをした事もあるが、その外国人は日本人が普段気にしないような日本語の細かい文法規則にこだわっていた。
それによって日本人からは敬遠されているようだった。
そう言いながら私も時々”語学マニア”になりそうになる。
ネイティブならこう言う的な売り文句に騙されて、もう既に誰も使ってないような英語の言い回しをそうと知らずに必死に覚えた。
そしてランゲージエクスチェンジで知り合った外国人に使ってポカーンとされた事もある。
最近もInhumanという単語が「超人的」という意味だけでなく、「非人道的」というニュアンスもある事を辞書で知った。
Inhuman treatmentで「非人道的処遇」である。
「つまりエージェント・オブ・シールドのインヒューマンズたちは差別的な蔑称をあえて名乗ってるのか!」と思わず膝を打った。
こういうマニアックな用例をたくさん知っても英語は上達しないのだ。
語学に近道はないが脇道は常にある。
”文法マニアになるなかれ”だ。
台湾で能年玲奈に遭遇
友人が台湾に遊びに行くというので何か英語に関するネタを拾ってきてくれと頼んでおいた。
帰国して撮った写真を見せてくれたのだがそこに女の子の写真があった。
台湾のかわいい女の子をつい撮ってしまったのかと思ったら違った。
台湾の空港に着いたら、報道陣やファンらしき人々が到着ロビーにいるので有名人が来るのかと彼も待っていたそうだ。
そこに来たのがこの人である。
これ能年玲奈ですよね?
能年玲奈、いや芸名変えたから”のん”だ。
取材とファンに囲まれて姿が見えない”のん”氏。
観光に行ってかわいい芸能人に遭遇できるなんて羨ましい。
「人だかりが多くてこの人には全然近づけなかった。スマホだからズームにすると画像が荒くて」と友人は残念そうに言う。
だが写真を取りながらも友人は誰を撮っているのかわかってないのであった。
友人は中国茶が好きで茶葉を買うのも目的だったらしい。
それでガイドブック片手に永康街という所で茶の専門店をまわっていたら、王徳傳という店を見つけたそうだ。
友人が言うには「持っていたガイドブックには載ってなかった。空港で芸能人に会ったのと同じレベルの幸運だった」そうだ。
ところで台湾では英語がだいたい通じるとのこと。
その芸能人級のお茶屋で友人の英語がどのくらい通じたのか気になったが、店員が日本語で対応してくれたという。
かわいい女子店員さんと中国茶の話ができて楽しかったらしい。
”Alien Alert in Seattle"Gina D. B. Clemen
”Alien Alert in Seattle"
Gina D. B. Clemen
アメリカでUFOが目撃されニュースはその話題で持ちきり。
そんな中、高校生のカレンは学校に新しく赴任してきた教師がどんな人かの方に興味があった。
だが新任教師は極めて奇妙な男で、もしかすると彼はニュースでも話題のUFOに乗って来たエイリアンではないかとカレンは疑い始める。
同級生のバーバラ、ウォルターと共にその謎の教師の正体を探ることにしたカレンは思いもかけない真実に遭遇する事になる。
長さは50分。
声優とキャラの性別は一致している。
謎の教師がエイリアンなのかまさかそんなわけはないのか、それが話の中心のSFなのだが途中でカレンたちの人生を揺るがす青春ものに話が展開する。
50分という短編にも関わらず脇役が実は主役だった的なドンでん返しを見事に決めてくるので、英語の勉強のために聞いてる事を忘れてしまった。
この作品の最大の謎はほぼ同じ内容の朗読が存在しているらしい事。
それが別のRetold(簡易)版なのか、たんなるパクリなのかは不明。
そっちのタイトルは"Alien at School"だ。
もしかするとそちらが本家なのかもしれない。
デス・ストロークの娘
レイブンの悪友、ローズ・ウィルソン。
デス・ストロークことスレイドの娘で刀剣の達人。
アメリカ版の声優はパメラ・アドロン。
ティーンタイタンズGOでは"Cool School #92"から登場したヴィランだけれど、スターファイアやレイブンとガールズナイト(これはチーム名じゃない気もするが)を結成している。
原作コミック版ではティーンタイタンズに加入したり抜けたりまた加入したりを繰り返しているらしい。
アメリカのファンサイトRavager | Teen Titans Go! Wiki | Fandom powered by Wikiaにローズはシンダーブロック、プラズムスと兄弟ってあるんだが、そうだったのか・・・。
シンダーブロック
プラズムス
この二人を見てローズと兄弟とはなかなか思い付かない。
アメコミのこういう設定は同じキャラでも作品によって変わっているから混乱する。
ティーンタイタンズGOだともっといい加減で同じシーズン内ですら設定が変わっている時がある。
アメコミのこの自由さが私は好きだが、この適当さが嫌でアメリカのアニメは見てないというアメリカ人に会った事がある。
ランゲージエクスチェンジを試していた頃にアメリカ人にDCコミックの話題を振ると、何人かから「あれ見てるの? 子供の頃は俺も見たけど、今は見ないな」とか「悪いけど、そういうのを私は読まなくて」という反応が来た。
そのくせ日本のアニメは好きだという。
バットマンはアメリカで何度もヒットしたし、最近はワンダーウーマンもヒットしてるが、映画とコミックは別物という事らしい。
日本でも映画がヒットしたからって、みんなが原作のアメコミを買いに行くわけでもないしな・・・。
そういう私も英語の勉強用にじゃなかったらDCアニメのブルーレイは買わないかもしれない。いや、買ったな。
"Missing in Sydney" Andrea M Hutchinson
多聴用というより英語の勉強の気分転換に私が聞いて面白かった朗読を紹介する。
"Missing in Sydney"
Andrea M Hutchinson
ロンドンの大学生アミー、クレア、リサの3人はクリスマスを過ごすためにオーストラリアのシドニーに遊びに来ていた。
親元を離れられて羽目を外したい3人は夜のパーティーに出かけて盛り上がる。
疲れたアミーとクレアは先にホテルに帰る事にするが、リサはまだ残るという。
しかし、翌日になってもリサはホテルに戻って来ない。リサは誘拐されたかもしれなかった。
旅先で頼る人もなく不安になるアミーとクレアだが、二人は親友を救うためシドニーの街にリサを探しに行く・・・というミステリーもの。
40分という小説の朗読としては短めで気軽に楽しめる。後半は駆け足の展開になるが無理な引き延ばし感がなくて私的にはそれで良かった。
会話を中心に話が進んでいくので聞きやすい。
長々と状況説明を聞かされるという朗読もので最も苦痛なパートが少ない。
同じレベル帯のもっと短い20分の朗読がつまらなくて、最後まで聞くのにものすごく苦労した。それで朗読を聞くのが嫌になりかけたが、このMissing in Sydneyは最後まで
一気に聞いてしまった。
声優とキャラの性別が一致しているのも良かった。
これを聞いてなかったらもっと早い段階で英語の朗読を聞くのを止めていた。
ネットに音声サンプルもあるようなのでまずはそれを聞いてみるのを勧める。
リスニングには多聴より復聴が効果あり
リスニングの練習のために多聴をやるのはやめてしまったが、勉強のためにやるというのが一番上達の妨げになる。
それでも英語の朗読は時々聞いている。
多聴は効果がなくてもせっかく音声を持っているのだから使わないともったいない。
それで気づいた。
1回目よりも2回目の方が聞き取れる単語が増えている。単語だけじゃなく文の意味も1回目よりも頭に入ってくる。
次に来る単語が予測できるからだ。
日本語だったとしても初めて聞いた曲をいきなり歌うとなると特殊な技能でもない限り無理だ。
歌詞を見ながらでさえ、初見と何度か聞いた後では難易度が劇的に変わる。
つまり、リスニングの練習には色々な朗読を多聴するよりも同じ教材を何度か繰り返した方が効果があるという事だ。
気づけば当たり前以外の何者でもないが、なぜこんな簡単な事に気づかないで無理な勉強法でやろうとしていたのだ。
取り扱い説明書のような説明文の朗読を聞
いて眠くなるのも当たり前だ。
どうせ聞くなら対話文の朗読を聞く方が集中力が持つ。
小説の朗読でも会話のシーンは聞いて楽しい。
楽しいから続く。
楽しいからもっとやりたくなる。
ああ、当たり前すぎる。
多読でも多聴でも英語を上達させるという目標に焦点を当てすぎてそこに至るまでの過程を無視していた。
途中で行き倒れのは既に登山口で決まっていたのだ。
しかし、対話文をたくさん聞くという
観点からリスニング用の教材を探したがこれが本当に少ない。
本屋にもネットにも山ほど英語の教材があるにも関わらず取説の朗読のような音源しかない。
せめて対話じゃなくてもいいから語り口調の教材はないのか?
あるね。
ポッドキャストに山ほどあったね。
ポッドキャストのアプリをダウンロードして"English learning"で検索すれば、どれを聞けばいいのかわからないくらい番組がある。
とりあえずBBCの6minutes English辺りがオススメだ。
英検2級もあれば英語で英語の勉強は十分できる。
最初は全くポッドキャストが聞き取れないかもしれない。でも、リスニング練習の基本は繰り返し同じ教材を聞く復聴だ。
3回くらい聞き直したら、聞き取れなくても次の教材に行くべし。
そして、2週間くらいして内容を忘れた頃にまた聞き直す。すると聞き取れる割合がなぜか勝手に増えている。
これが復聴の効果である。
検証 語学アプリの役立ち度
語学アプリは有料のものですらほとんどが子供騙しレベルのものだ。
実際試してみて使う価値があるのはNHKのゴガクルくらいだった。
バベルという語学アプリはしばらく使ってみて使用料も安く内容も良かったのだが、支払い方法がクレジットカードしかないのが敷居が高い。
あれだけでネイティブと会話ができるようになるかというと無理だろうが、課金額が月300円程度にしてはかなりよく出来ているアプリだ。
ここでもっと過激なことをいうと、語学アプリの中でもランゲージエクスチェンジは本当に時間の無駄である。
私が試したアプリの名前を出すとLang8、HelloTalk、Italkiだ。
実際に何ヶ月かランゲージエクスチェンジを試してわかったのは、あれをやるくらいなら英語でMMORPGをやった方が語学の上達になるという事だ。
どうしてもネットで外国人と会話したいなら、オンラインの英会話レッスンを使ってまともな講師を探した方がランゲージエクスチェンジをやるよりかは当たりを引く可能性が高まるだろう。
いや、ネットで体験談や口コミを読むと、ランゲージエクスチェンジとたいして変わらないようだが。
偏見だと言われてもあえて断言するが、ランゲージエクスチェンジをやるとナンパ目的の男やちやほやされたいだけの女とメッセージをする羽目になる。
30人に1人くらいは真面目に語学の勉強したい人(”してる”ではなく”したい”)もいるようだが、その1人にたどり着く前までにかかる時間と労力が結果に見合わない。
ランゲージエクスチェンジの最大の問題点は、ネイティブだからと言って正しい事を教えているとは限らない事だ。
特に大学生前後の年齢なら相手がネイティブでもその添削はあてにならない。
大学出の30前後のまともな仕事をしているネイティブの使っている表現なら真似ても恥をかかないだろうが、そういう人たちは英語を話せない外国人の相手をする程暇ではない。
初心者の外国人に母語を教える手間を考えたら、”無料”で”真面目に”なんてあり得ない。
むしろビジネスだと向こうも仕事だから、日本人の英語が下手でも理解しようとしてくれる。
やはり英語にお金を投資するより、趣味に投資して英語でそれを外国人と共有する。
これが正解ルートだ。